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筋スパズムとは?|発生機序(メカニズム)や原因について

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筋スパズムの生理学的なメカニズムや臨床上の原因を知りたい

そんな方の疑問に答えます。

理学療法に関わる人なら筋スパズムという単語を一度は聞いたことがあると思います。

ただ、その機序や原因、評価の方法が曖昧な人は多くいます。

しかし、臨床場面ではかなりの頻度で出くわすため、筋スパズムを詳しく知っておいて損はありません。

そこで、筋スパズムの意味から原因について、解説していきます。

この記事ではまず、機序(メカニズム)や原因について書いていきます。


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筋スパズム(筋攣縮)とは?

筋スパズムってよく聞くけどどういう状態??

簡単に言うと、筋肉への血のめぐりが悪くなって力が入ったままになっている状態のことです。

“筋の収縮持続時に起こる局所の循環および代謝性変化に応じて、筋の収縮が延長するもの”

Carolyn Kisner著,川島由紀子訳・他:最新運動療法大全,産調出版株式会社,東京,295-308,2008

要するに、何らかの原因によって筋への血流が悪くなり、筋の過緊張状態が続いていることを指します。

循環不良により筋緊張亢進(筋スパズム)が延長するメカニズム

なぜ、血流が悪いと筋の過緊張状態が続くの?

まず、筋肉が収縮する際に何が起きているかわかりますか??

わかりません、、、

筋小胞体から筋形質(細胞質)にカルシウムイオンが放出され、筋形質内のカルシウムイオン濃度が上昇することでアクチンフィラメントとミオシンフィラメントが結合して筋収縮が起こります。

筋小胞体、、、筋形質、、、

逆に、筋形質内のカルシウムイオンはATP(エネルギー)を使って筋小胞体に取り込まれ、カルシウムイオン濃度が低くなることで、結合はとかれ筋肉は弛緩します。

、、、

今の説明だけではわからない方も多いと思うのでもう少し解説します

まず、筋繊維の構造をみておきましょう

出典:伊藤正裕,坂本歩・他:ボディセラピーのためのトートラ標準解剖生理学,丸善出版株式会社,東京,262,2011

筋形質膜内には主に筋原繊維があり、その間を筋形質が満たしています。

筋原繊維の周りに筋小胞体があり、筋小胞体がカルシウムイオン濃度を調節しています。

出典:伊藤正裕,坂本歩・他:ボディセラピーのためのトートラ標準解剖生理学,丸善出版株式会社,東京,267,2011

筋肉の収縮と弛緩には筋形質内のカルシウムイオン濃度が関係しています。

筋肉の弛緩には筋小胞体から出たカルシウムイオンを再度筋小胞体内に取り込む必要があります。

取り込む際、ATPをエネルギーとして使いますが、ATP産生には血液によって運搬される酸素が必要です。

つまり、血流が悪いと酸素供給が減り、ATP産生も減ります。

エネルギーがないとカルシウムイオンの取り込みが行えず、濃度が低くならないため筋肉が弛緩できない状態となります。

こういった流れで血流が悪くなると、筋肉の収縮状態が続いてしまいます。


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筋スパズムの原因は3つ

出典:Carolyn Kisner著,川島由紀子訳・他:最新運動療法大全,産調出版株式会社,東京,295-308,2008

筋スパズムの原因には何があるの?

筋スパズムは細かく言うと
炎症、疼痛、ウイルス性感染、風邪(感冒)、長期間の固定、精神的緊張あるいは筋の直接(間接的)外傷など原因は様々です。

しかし、大きく分けて原因追求する際は3つで足ります。

・防御性収縮(ガーディング)

・過剰収縮(過用・オーバーユース)

・反射性攣縮

防御性収縮(ガーディング)

1つ目は防御性収縮で術後によくみられます。
痛みがあるとそこは動かしたくないものです。

防御性収縮は、痛みがでるのを防ぐため、傷害のある部位を機能的に動かないようにして保護する役目を担っています。

疼痛刺激が軽減すると防御性収縮も消失しますが、筋肉が持続的に収縮することで、筋肉の局所的循環障害や代謝性変化が生じ、筋スパズムへと発展していきます。

例えば、術後の炎症により、関節運動で痛みが生じる場合では、

動かすと痛むので関節周囲筋が防御性に収縮し、関節運動に対して抵抗感が生まれます。

このような状態を放置してしまうと筋スパズムが生じます。

そのため、筋スパズムの原因を考える際には、防御性収縮をさせるような疼痛がないかを確認することで防御性収縮によるものかを考えることができます。

参考:黒澤和生:痛みとマニュアルセラピーⅠ-軟部組織に対する治療-,理学療法学15(3),111-115,2000

過剰収縮(過用・オーバーユース)

筋肉に繰り返し過度なストレスがかかることで、筋肉が硬くなり、血流が悪くなります。

関節の不安定性や運動パターンの変化などの原因により、筋肉に過剰な収縮を求められると筋肉の柔軟性が低下し、循環障害が生じます。

日常的にこのような負荷が繰り返しかかることで筋スパズムが生じることがあります。

関節不安定性について例を挙げると、

膝後外側回旋不安定性(postero-lateral rotatory instability:PLPI)による膝窩筋痛があります。

出典:鳥羽清治:整形外科運動療法ナビゲーション-下肢,株式会社メジカルビュー社,東京,104,2014


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PLPIとは膝後外側支持機構(靭帯損傷)の損傷により発生し、大腿脛骨関節の外旋方向への不安定性が生じます。

歩行周期において、足底接地〜立脚中期へ移行する際の膝伸展時に大腿脛骨関節の外旋が生じており、それが不安定だと動き過ぎてしまいます(過可動性)。

そうすると、その動きすぎを制動しようと膝窩筋が過剰に働くようになります。

歩行により繰り返し外旋ストレスがかかることで膝窩筋のスパズムが生じ、痛みが生まれます。

筋スパズムの原因を考える際は、動作観察やアライメント評価、可動性評価を基にその筋にかかるストレスを分析する必要があります。

反射性攣縮

反射性攣縮は、関節包などに侵害刺激があった際に神経を通って反射的にその脊髄レベルの筋肉が収縮することを指します。

下の図が反射の流れを示したものです。

出典:土肥潤二,村上元庸:五十肩の痛みのメカニズムについて,The Shoulder Joint vol.19(1),108-111,1995

反射性に収縮が生じ、その後収縮が持続的になると筋肉は虚血状態となります。

虚血状態となると筋繊維内に発痛物質が産生され、今度は筋肉自体が痛みの原因となります。

そして筋肉内の侵害受容器を介する脊髄反射により筋収縮が生じ、悪循環となってしまいます。

出典:土肥潤二,村上元庸:五十肩の痛みのメカニズムについて,The Shoulder Joint vol.19(1),108-111,1995

肩以外にも、椎間関節性腰痛の患者の場合、椎間関節内の侵害受容器に刺激が入り、同レベルの多裂筋に反射性攣縮が生じることがあります。

以上から

筋スパズムの原因を考える際に、関節内のストレスがないかを考える必要があります。

以上で筋スパズムの基礎が分かったと思います。

次に、評価や治療についてもまとめていきます。

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