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腰部脊柱管狭窄症の評価と具体的な運動療法|理学療法

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腰部脊柱管狭窄症のリハって何をすればいいの?
評価すべきことはなにがある?

そんな疑問をお持ちの方のために腰部脊柱管狭窄症の評価と具体的な運動療法について紹介します。

Contents

腰部脊柱管狭窄症とは

腰部脊柱管狭窄症とは脊髄・馬尾神経の通り道である脊柱管が何らかの要因により狭くなり、痛みや痺れ感といった神経症状を呈する疾患です。

典型的な症状に間欠性跛行があります。


間欠性跛行とは

歩行開始後しばらくして下肢のしびれや痛み、脱力といった症状が出現することで歩けなくなるが、前かがみや座って休むことで症状が消失し再び歩けるようになる現象のことです。

*症状出現には個人差があります。

腰部脊柱管狭窄症の評価

腰部脊柱管狭窄症では何を評価すべき??

腰部脊柱管狭窄症の評価について情報収集・問診、理学療法評価にわけて列挙しています。

情報収集・問診

・単純X線の確認

・合併症(脊髄症、椎間板症、椎間関節症、脊柱管狭窄症)の有無と安静度の確認

・リスクの確認(既往歴の確認)

・疼痛について確認(いつから、どこが、どんな時に、どんなふうに、ここ数日の状態はどうか)

・現在の日常生活で最も困っていること(主訴)

・具体的なホープやニーズの確認

・事前に収集した情報の不明確な部分に関する問診

理学療法評価

・痛みの出現する姿勢や動作、部位及び出現の仕方を観察する

・痛みの消失する動作・条件を観察(疼痛改善・予防指導のため)

・神経学的検査(筋緊張・異常感覚・排尿障害の有無)

・ROM検査

・徒手筋力検査

・ADL評価

・歩行能力検査(跛行の有無および種類、歩行観察、歩行スピード、連続歩行距離)

・社会的情報(居住環境、職業、収入、家族、人間関係、介護認定、宗教等)の収集

代表的な運動療法プログラム3つ

腰部脊柱管狭窄症のリハはなにをすべき??

代表的なリハプログラムを3つ紹介し、その理由についても説明します。

運動療法では痛みが出現する動作は避け、傾聴しながら実施していきましょう。

①体幹下肢屈筋のストレッチング

②体幹伸展筋のストレッチング

③体幹筋(腹横筋・腰部多裂筋)の筋力強化

①体幹下肢屈筋のストレッチング

腰部脊柱管狭窄症の患者では腰痛や下肢症状を誘発しないように前屈姿勢でいることが多くなり、関節が拘縮し可動域制限を呈していることが多いです。

この姿勢では体幹筋の筋力低下も惹起してしまいます。

そのため、姿勢修正のためにも体幹下肢屈筋のストレッチングを行う必要があります。

②体幹伸展筋のストレッチング

腰部脊柱管狭窄症では腰椎の伸展(前弯)の増強により、痛みの増悪が見られます。

体幹伸展筋が硬くなると腰椎前弯を増強させてしまうため、体幹伸展筋のストレッチングにより前弯を減少させる必要があります。

③体幹筋(腹横筋・腰部多裂筋)の筋力強化

腰椎が不安定な状態だと、脊椎や周囲筋へのストレスが増加し疼痛を惹起します。

そのため腰椎の安定化を測る必要があります。

腰椎を安定させるためには特に腹横筋と多裂筋の筋力強化が推奨されています。

腹横筋と腰部多裂筋の同時収縮は、胸腰筋膜緊張と腹腔内圧の上昇により腰椎の安定性を高めるからです。

具体的には、

・骨盤傾斜と多裂筋収縮練習

・四つ這いでの骨盤傾斜や上下肢の挙上および保持練習

・ブリッジング

・背臥位での股・膝関節90°屈曲位の保持や交互屈伸運動

などがあります。

出典:腰椎疾患に対するリハビリテーション ―運動療法とセルフトレーニングを中心に―

<参考>腰痛疾患に対する腰痛体操の意義と臨床経験

その他理学療法プログラム

・物理療法(ホットパック、マイクロウェーブ、電気刺激療法、超音波療法)

・動作指導

・セルフエクササイズ指導

まとめ

脊柱管狭窄症は理学療法により根本的な解決は難しいですが、

症状の緩和や進行予防のためにも動作指導や前述した3つの運動療法を実施していく必要があります。

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