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鵞足部痛の原因例を3つ紹介|鵞足部痛の鑑別方法や脛骨アライメントの評価について

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鵞足とは

鵞足とは「縫工筋」「薄筋」「半腱様筋」の3筋が脛骨に付着する停止部のことを指します。

停止部が水鳥の足の形のようにみえるため鵞足と呼ばれています。

出典:坂井建雄,松村讓兒・他:プロメテウス解剖学アトラス 解剖学総論/運動器系第2版,株式会社医学書院,p497,2011

プロメテウス解剖学アトラス解剖学総論/運動器系 第2版

鵞足部痛のトリガー筋鑑別テスト

鵞足部に痛みを訴えがあり、鵞足部にて圧痛所見がみられる場合、鵞足の筋が疼痛を出現させている可能性が高くなります。

効率的に治療していくため、痛みのトリガーとなっている筋を鑑別しましょう。

トリガー筋鑑別テスト

・縫工筋:

→非検査側の股関節を内転位で固定し、検査側の股関節を軽度伸展・内転位とする。そこから膝関節伸展、下腿を外旋し、縫工筋を伸張する

・薄筋

→非検査側の股関節を外転位で固定し、検査側の股関節を軽度伸展・外転位とする。そこから膝関節を伸展、下腿を外旋して薄筋を伸張する

・半腱様筋

→非検査側の股関節を伸展・内転位で固定し、検査側の股関節を屈曲・内転位とする。そこから膝関節伸展、下腿を外旋し、半膜様筋を伸張する

出典:出典:鳥羽清治:整形外科運動療法ナビゲーション-下肢,株式会社メジカルビュー社,東京,156,2014

関節機能解剖学に基づく 整形外科運動療法ナビゲーション

鵞足に痛みが生じる歩容3例(動作観察)

これから紹介する3例は「脛骨アライメントの変化」により鵞足筋にストレスがかかり痛みが生じていた症例です。

その「脛骨アライメントに変化」が生じる原因を3例紹介します。

脛骨のアライメント評価の方法も後述しています。

①膝OAで立脚期に体幹側屈がみられる症例

膝OAにより歩行の立脚時に膝痛がある場合、その痛みを軽減するために体幹側屈が見られる場合があります。

関節裂隙狭小化により膝関節内側で骨同士が接触しやすくなっている場合、荷重により、内反ストレスが増加し、痛みが増加します。

右膝痛の場合

体幹を右側屈させることで、重心線を右方偏位させ、膝関節を内反させようとするモーメントが減少します。

それにより、荷重時の膝内側組織へのストレス・痛みが減少します。

しかし、その歩容がつづくと

股関節外転筋の活動が減少し、柔軟性も低下していきます。

すると、

股関節外転筋である大腿筋膜張筋(TFL)、および腸脛靭帯(itt,itb)も硬くなり、脛骨を外旋方向に引っ張ってしまいます。

脛骨が外旋方向に引っ張られると、内側につく鵞足筋には伸張ストレスが働き、スパズム・疼痛が生じます。

評価すべきこと

・鵞足部の圧痛の有無

・トリガー筋鑑別テスト

・脛骨アライメントの評価

・Overテストで腸脛靭帯の柔軟性の評価

・歩行観察による原因分析

鵞足部に痛みの訴えがある場合、圧痛所見がみられるか評価し、

陽性ならトリガー筋の鑑別テストを行います。

それで筋の鑑別ができたら当該筋へのストレスの原因を考えます。

その一つに脛骨のアライメント不良があるので、それを評価します。

脛骨が外旋位かどうかの評価方法は後述します。

外旋位であった場合、その原因を考えます。ここでOverテストを行うことで腸脛靭帯の柔軟性の評価と治療効果判定の目安に用いることができます。

治療前の歩行観察では原因の検討、仮説を立て、治療した後には再度歩行を観察し変化の有無を確かめましょう。

②立脚期に骨盤の側方傾斜(スウェー)がみられる症例

股関節外転筋力の低下により、立脚期に骨盤のスウェーがみられる場合、筋力低下を腸脛靭帯の靭帯性支持によって代償しています。

しかし、荷重の度に腸脛靭帯・TFLには伸張ストレスが繰り返しかかります。

ここからは①と同じですが、

腸脛靭帯・TFLに繰り返しストレスがかかることで柔軟性が低下し、脛骨を外旋方向に引っ張ってしまいます。

脛骨が外旋方向に引っ張られると、内側につく鵞足筋には伸張ストレスが働き、スパズム・疼痛が生じます。

評価すべきこと(①と同じです)

・鵞足部の圧痛の有無

・トリガー筋鑑別テスト

・脛骨アライメントの評価

・Overテストで腸脛靭帯の柔軟性の評価

・歩行観察による原因分析

脛骨のアライメント評価方法

参考:坂井建雄,松村讓兒・他:プロメテウス解剖学アトラス 解剖学総論/運動器系第2版,株式会社医学書院,p432,2011
脛骨内外旋のアライメント評価方法

正常アライメントでは「膝蓋骨尖」と「脛骨粗面」のラインが一致しています。

(画像の赤いライン)

この位置関係のズレから内旋位なのか外旋位なのかを判断しましょう

③足関節背屈制限により立脚中~終期に足部外転がみられる症例

何らかの原因によって足関節背屈制限がある場合、立脚中~後期の足関節背屈が出ません。

その代償の1つとして「足部の外転」がみられることがあります。

足部を外転させ、蹴り出す場合、足部の回内も増加し、扁平足様になります。

その結果、上行性運動連鎖によって脛骨は外転(外反・X脚様)方向に動きます。

歩行時の繰り返しの外反ストレスによって、鵞足筋へのストレスが増加し、鵞足筋のスパズムや疼痛が出現します。

出典:市橋則明:運動療法学―障害別アプローチの理論と実際,株式会社文光堂,p25,2014

評価すべきこと

・鵞足部の圧痛の有無

・トリガー筋鑑別テスト

・足関節背屈ROM検査

・歩行観察による原因分析


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まとめ

いかがでしたか?

鵞足部痛の原因について動作観察から考える具体例を解説しました。

あくまで例ですので、当てはまらない場合もあります。

少しでも臨床での参考になればと思います。


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